今日は、里見八犬伝の八犬士の名前の由来シリーズです。
続きましては「犬飼」姓です。
里見八犬伝では、洲崎出身の犬飼現八ですね。
有名人には犬養毅がいます。
犬飼といえば犬養毅だけど字が違う?
さて、犬飼(いぬかい)といえば犬養毅。
日本の元首相です。
でも、飼と養とで漢字が違いますよね、実は改名したみたいなのです。
もともとは「犬飼」だったみたいです。
なんでも、先祖が吉備津彦命に従った犬飼健命(イヌカイタケルノミコト)だと本人は言っているようで、
本当かどうか知りませんが(苦笑)、実際にとても由緒正しいお家柄のようです。
ちなみに吉備津彦命とは桃太郎のモデルになったとされる皇族で、
欠史八代第7代の孝霊天皇の子供です。
(きびつひこ=きび(岡山)=きびだんごの桃太郎です。)
皇族に使えた人が祖先であるということですね。
ちなみにタレントの安藤和津さん(奥田瑛二の嫁)は犬養毅の孫です。
犬飼武命の子孫
さて、その犬飼氏のルーツですが、
色々調べると、やはり「犬飼武命」の子孫という説があるようです。
犬飼武命というのは、先に書きました吉備津彦命の家来・家臣です。
実際、吉備津神社という吉備津彦命を祭った神社の周辺には、
犬飼という姓の人が多いらしいです。
でも、これ以上の内容がネットには無くてお手上げ状態。。。
犬飼武命がどんな人なのか、どんなルーツなのかはわかりません。
でも一部では犬飼武命=犬飼造とあり「造(みやつこ)」と名前に付くので、
それなりの地位の人であることは間違いないです。
犬飼の造ですから、恐らく、犬を飼っていたのだろうと思います。
いや、ほんとに。
もともと犬養部だったのではないかと
というのも、漢字が違うのですが、
大和朝廷には「犬養部」という犬を番犬や狩りなどに利用するために飼育する役割があったのです。
恐らく、これが起源なのかなと推測されます。
実際に、犬以外にも、馬飼部・鳥飼部など、馬や鳥を飼育する役割もあったようです。
語部(かたりべ)なんてのも、その一種です。
ちなみに、犬を番犬などに育てることから派生したのか、
徐々に「戦」の専門職になっていったようですね。
とすれば、戦争専門職である犬飼造(犬飼武命)が、
吉備津彦命とともに敵(鬼)と戦ったとするのも納得です。
まさに桃太郎のお供の犬の由来ですね。
犬養部を統率した伴造、◎◎犬養連
さて、その犬養部を統率した氏族がいるようでして。
そこからさらにルーツを遡れそうです。
それは、
県犬養連
海犬養連
若犬養連
阿曇犬養連
の4氏です。
それぞれルーツを探ってみましょう。
県犬養連はその祖先をカミムスビとしており、
これは、造化三神の1柱です。(すごい神様ってこと。笑)
また、カミムスビは出雲の守り神的な神様でして、
出雲大社を作るために全国の神様を招集したのがカミムスビですから、
出雲系と言っていいかもしれませんね。
海犬養連はその祖先をオオワタツミとしており、
ワタツミとはつまり海の神様ですね。
ちなみにオオワタツミの娘の孫が神武天皇ですから、
こちらは天孫系でしょうか。
若犬養連はアメノホアカリを祖先としていますので、
こちらも天孫系ですね。
阿曇犬養連は海犬養連と同じく、
オオワタツミの祖先なので天孫系ですね。
あんまし千葉には関係なかったね
というわけで犬飼氏ですが、
こうして調べてみるかぎりは吉備、岡山に縁のある人なので、
千葉にはあまり関係なかったですね。
南総里見八犬伝と言っても、
必ずしも南総(南房総)に関係あるわけではないということですね。